除塵の重要性

 

「プロつやコートUEX」の成分は水、アクリル樹脂エマルジョン、ワックスエマルジョン、可塑剤、表面調整剤、界面活性剤、防腐剤、消泡剤などです。成分中、約40%は水分として蒸発し、約40%が水分以外として蒸発して、最終的には約20%がワックスとして残るようになっています。ワックス作業をスムーズに行うには、水分をいかに早く蒸発させるかが鍵となります。 そこで、以下のとおりまとめて見ましたのでご参考にしてください。

 

  • 床面に、埃・汚れ・洗剤等の異物が残るほど、ワックスは乾燥しにくくなります。

    解説: 水などの液体に不揮発性の物質が溶け込んでいると、その物質のモル分率に比例して蒸気圧が低下して蒸発しにくくなる<ラウールの法則>というものがあります。一例として、粘土や砂の中に含まれている二酸化珪素(SiO2:分子量は約60、非電解質)という物質が10g散乱している床にワックスを100g塗って全部溶け込んだと仮定すると、ワックス100g中の40%の水分に残留するので、きれいな床に比べて蒸気圧が約7%低下⇒蒸発しにくくなります。  1-[(40g/18g)/(40g/18g+10g/60g)]=0.07 (水H2Oの分子量:約18)
    つまり、汚い床面ほど水分が乾きにくくなります。乾式・湿式バキューム、水切り、モップ掛け等で、できる限り汚れを取り除いてください。汚れたモップはきれいに洗って使いましょう。なお、異物が塩(NaCl)など電解質の場合は、水に溶解するとイオンに分離するため(構成元素の数だけ掛け算でモル分率が増える)、非常に乾きにくくなります。
  • 暖房が使えるなら、冬場は外気を室内に取り入れて空気を入れ替えると乾燥しやすくなる。

    解説: 室外が気温8℃、湿度30%、室内は気温23℃、湿度60%と仮定します。このとき室外空気の単位体積当たりの水蒸気量(絶対湿度)は、8.28g/m3(気温8℃の飽和水蒸気量)×30%=2.48g/m3です。 そして室内空気の絶対湿度は、20.59g/m3(気温23℃の飽和水蒸気量)×60%=12.35g/m3となります。
    このとき室外空気で室内空気を半分入れ替え十分に攪拌したとすると、室内の気温は15.5℃、絶対湿度は(2.48g/m3+12.35g/m3)/2=7.42g/m3となります。気温15.5℃の飽和水蒸気量は13.24g/m3ですので、この結果、湿度が7.42g/13.24g×100 = 56% へと若干低下します。さらに、暖房により室内気温を23℃に戻したとすると、湿度は7.42g/20.59g×100 = 36%になり、とても乾きやすくなることがわかります。つまり、温度の低い空気は水蒸気量が少ない(絶対湿度が低い)ので、それを暖めることで湿度(相対湿度)が下がることを利用します。
    さて、冬場は分かりましたが、夏場はどうしたら乾燥しやすくなるでしょうか? ぜひ、ご自分で考えて見てください。
 
  • 扇風機には二つの役割がある

    解説: ワックスから水分が蒸発しているとき、水蒸気の濃い空気層がワックス表面に存在しています(境膜:きょうまく)。無風状態では3cm、風速0.5mで3mm、風速5mで1mmの厚さとされており、熱伝導と水分蒸発を妨げます。扇風機の役割の一つ目は、この境膜をできるだけ薄くして蒸発を助けることです。 また、扇風機の二つ目の役割は部屋全体の空気を攪拌することで、ムラなく水蒸気を吸収させることです。室内の空気を自然対流に任せていると、乾いた空気と湿った空気でムラが発生し、同じ体積の空気でも吸収できる水蒸気量に差が出てしまいます。飽和水蒸気量に近づくほど乾きづらくなりますから、前項でも説明したようにできれば外気を取り入れて使用できる空気量を増やしてください。以下は湿度60%にて、ワックス100g(水分40g)乾燥させるのに必要な空気量の表です。(早く乾燥させるにはより多くの空気が必要。 また気温・床温5℃以下ではワックスが乾きにくくなるとの話なので5℃のデータは参考程度にしてください。)
  • 気温

    5

    10

    15

    20

    25

    30

    飽和水蒸気量(g/m3)

    6.81

    9.41

    12.85

    17.31

    23.06

    30.38

    必要空気量(m3)

    14.68

    10.63

    7.78

    5.78

    4.34

    3.29


     

以上 

 

 

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Last Updated: May 10, 2013